スポンサーリンク
米国債(ゼロクーポン債)の利回りは1%以上と、日本の定期預金よりはるかに良いので、すぐにでも購入したい!と思いますよね。
ちょっと待ってください。
でも、米国債には日本の国債にないリスクがあるので、よく理解してから購入しないと、思わぬ損失が出る事もあります。
ここでは、米国債を購入する前に知っておくべき注意点について解説します。
私は実際に2018年11月に100万円分の米国債を購入したのですが、この注意点を考えてから購入しました。
米国債を購入する前に、この記事をを読んでもらえると注意点が分かります。
- 「ドル」で買って「ドル」が返ってくる商品
- ドルの為替相場に左右される
- 長期間(10年以上)でないと、あまりお得ではない
- 長期間寝かせられるだけの余裕資産で行う
- 今は債券の金利は低い(債券価格は高め)
- 税金は売却時に20.315%のみ
- 購入時に「源泉徴収あり特定口座」で購入しておくと、税金処理が楽
これらを一つずつ解説します。
スポンサードサーチ
目次
米国債には2種類(利付債・ゼロクーポン債)がある
米国債には2種類あります。
- 利付債:年2回の利子がつく
- ゼロクーポン債:利子分を割り引いて安く買える
利付債は普通の定期預金のようなイメージです。
割引債(ゼロクーポン債)とは、例えば
・今なら、7,000ドルで購入できる
・10年間の利子3,000ドルが付いて、満期時に一括して1万ドルもらえる
といった商品です。
毎年の利子分を最初から割り引いて購入できる、という意味で「割引債」とも言います。
※「ゼロクーポン」とは、クーポン(利子)がゼロ(0ドル)という意味です。
ゼロクーポン債なら満期時に一括して税金を取られるため、、毎月の利子に税金がかからないので有利と言われます。
(税金というものは、今払うよりも先送りしていた方が何かと有利になることが多いためです)
米国債は「ドル」で買って「ドル」が返ってくる商品
米国債(アメリカ国債)というだけあって、購入単位は「ドル」です。
ということは、今持っている円をドルに両替して、米国債を買うということです。
スポンサードサーチ
米国債を購入する時は円高を狙おう!
米国債は現在2.7%弱の利回りと、日本の国債や定期預金を考えると破格の利回りですが、問題もあります。
それが「為替(かわせ)相場」です。
例えば1ドル=100円(円高)だったら、1万ドルを購入するのに100万円で済みます。
逆に、1ドル=200円(円安)だったら、同じ1万ドルを購入するのに200万円に増えてしまいます。
なので、1ドル=いくらの時に購入するのかで、必要なお金が変わります。
また、満期になったドルを円に戻す時にも関係してきます。
満期時が1ドル=200円(円安)だったら、1万ドルを日本円に戻したら200万円と増えるので嬉しいですね。
逆に、1ドル=100円(円高)だったら、同じ1万ドルを日本円に戻したら100万円になってしまいます。
なので、鉄則として「買う時は円高、売るときは円安」を気にしてください。
米国債を購入する時期はいつが良い?
一番円高の時は、1ドル=75.54円(2011年10月)
一番円安の時は、1ドル=147.63円(1998年8月)※直近の話
さて現在は円高・円安どちらでしょうか?
答えは「分かりません」です。
為替相場なんてプロでも分からないんです。
今は1ドル=112円ですが、今後円安になるのか円高になるのかなんて素人が分かるわけありません。
なので私は「米国債はいつでも欲しい時に買う」をおすすめします。
何故か?
今買えば、3%の利回り商品が手に入るからです。
今後10年後に円高になった時に買っても、10年間の利回りは手に入りません。
とは言っても、元本割れは避けたいですよね。
その時には「損益分岐点」を考えておけば良いのです。
スポンサードサーチ
米国債を購入するときに「損益分岐点」を考えておく
「損益分岐点」とは、「1ドル○○円より円高になったら損をする」という地点です。
今回私は、1万ドルの10年米国債(ゼロクーポン債)を購入しました。
このゼロクーポン債の購入金額は、834,918円でした。(1ドル=112円時に購入)
これは「834,918円」が、10年後に「1万ドル」になる米国債です。※税金考慮せず
なので、単純に考えて「1万ドル=834,918円以下にならなければ良い」のです。
ですのでこの場合、1ドル=83.4円よりも円高(1ドル=70円とか)にならなければ元本割れになりません。
私はドル円の最高値が75ドルなので、多分これ以上はならない「かな」と思ったので今回購入しました。
1ドル=100円なら、1万ドル=100万円となり、金利は16万5千円です。
1ドル=150円なら、1万ドル=150万円となり、金利は66万5千円です。
スポンサーリンク
3%の利回りはあくまでも「ドルの場合」です。
満期時に、いくらのレートで交換するかで利回りは大きく変化します。
ここは、「自分がどれくらいの利益を取りたいか=円安を待っていられるか」でも変わりますので、10年後すぐに円で必要になる資金は投入しないようにしましょう。
逆に、満期後のドルをすぐに使う予定があれば(留学など)、ドル円相場を気にせずに3%の利回りで持っていられます。
米国債は最初の分散投資に最適
日本人の多くが「円のみの資産」なので、「ドル」を持っておくことで、ドル円の為替が変動した場合に資産の目減りを防げます。
どういうことかというと、1ドル100円の時に、100万円をずっと定期預金に入れているとします。
100万円は1万ドルの価値があるはずが、
1998円には、100万円は6,802ドルに減ってしまいます。(1ドル=147円)
逆に2011年には、100万円は13,333ドルに増えていました。(1ドル=75円)
今は100万円は8,928ドルにしかなりません。。(1ドル=112万円)
同じ100万円でも、円安になれば目減りしてしまうのです。
このように、円という資産は常に変化しているのです。
増やす目的ではなくて「減らさないため」に、分散投資をする必要があるのです。
スポンサードサーチ
米国債は長期間持てば複利効果で増えていく
今100万円を持って、ドルを買ったり売ったりすれば利益が出たりしますよね。
(この為替の取引で利益を取る事が、FX(Foreign Exchange=「外国為替取引」)のことです。)
でもFXなどは難しいし、素人は損をする可能性が極めて高いです。
その「損しない可能性を高くする」のが、「利率の複利効果」です。
100万円を3%で1年運用したら、103万円ですよね。
しかし、2年目は106万900円
3年目は109万2,272円
と、「利子に利子がつく」ことで、どんどん増えていきます。
30年後には、100万円が242万円にまで増えます。
1ドル=100円の時に1万ドル買っていれば、2万4千ドルに増えています。
こうなれば、1ドル=50円になっても耐えられますよね。
このように「なるべく損しないようにする方法」が「複利効果を利用して、長期間運用する事」なのです。
米国債の金利は今後上昇(債券価格は下落)の可能性もある
最後の注意点です。
現在、米国債の金利が3%まで上昇したとはいえ、これはかなり低い水準でです。
今後4%となれば、債券価格は下落するので、その時点で元本割れとなります。
ただし、元本割れをするのは「今の時点で売った場合」なので、満期まで持ち続けているなら問題ありません。
なので今が買い時かというと「分かりません」。
4%になるかも知れないし、2%になるかもしれない。
そのリスクを考えて、購入するのが運用商品です。
私は債券で売却益を狙ってはいませんので、「日本の定期預金よりも良い利率で、比較的安全な米国債で確実に(ドルで)3%運用したい」と思って購入しました。
ただし、4%になるリスクを軽減する方法があります。
それが「時間の分散投資」です。
米国債を購入する為には、「時間の分散投資」も有効
「時間の分散投資」とは、「一定期間ごとに、米国債を買う」という方法です。
例えば今5千ドル購入して、1年後に5千ドル購入する、という方法を取れば、1年後は4%になっていた場合でも、半分の5千ドルは4%で買うことが出来ます。
このように、一定期間ずつ購入していくことを「ドルコスト法」と言います。
何でも同じですが、「同じ商品」を「一気に」購入する事はリスクが高いのです。
1点賭けも良いのですが、リスクを嫌うのであれば「金額と時間の分散投資」をおすすめします。
米国債を買う時は「源泉徴収あり特定口座」選択すれば申告不要なのでおすすめ!
米国債は「外国債券」となりますので、税金がちょっと違います。
とは言っても、2016年から税額が変更になりました。
今回の割引債(ゼロクーポン債)の場合なら、満期時に20.315%弱の申告分離課税で済み、「源泉徴収あり特定口座」ならは申告不要となります。(※0.315%は復興特別所得税)
まとめ
- 米国債は「ドル」で買って「ドル」が返ってくる商品なので為替相場に左右される
- 長期間(10年以上)でないと、あまりお得ではない
- 長期間寝かせられるだけの余裕資産で行う
- 今は債券の金利は低い(債券価格は高め)
- 購入時に「源泉徴収あり特定口座」で購入しておくと、税金処理が楽
実際の購入についてはSBI証券で10年米国債(ゼロクーポン債)をお得に購入する方法を参考にしてください。
住信SBIネット銀行の口座開設はこちらから。
スポンサーリンク